相手に納得してもらえる話し方って難しい
妻の愚痴仕事の話を聞いて思ったことです。
背景
- 妻は自社の正社員だが、客先に常駐して仕事をしている。
- 原則、客先のみに出勤しており、自社に行くのは月に一度あるかないか。
- 普段は客先の入館カードのみを携帯している。
- 自社の社員証と入館カードは自宅に保管してあり、帰社日のみ持ち出している。
起きたこと
自社の上司が社員証の交換のためにやってきた。 妻は持っていないのでそう言ったら「自社の社員証と入館カードを常に携帯しろ」と言われた。
妻が普段の業務には必要ないから家に保管してあると言うと、
- 「緊急で必要になったらどうするの」
- 「みんな言われなくてもそうしている」
- 「社会人の常識で考えたら分かるでしょう」
というような説明(?)を受けたそうだ。
妻はそれ以上話すのが面倒になったのでとりあえず「はい」と言ってその場は終わらせたらしい。
妻の言い分
- 普段使わないものを毎日かばんに入れて持ち歩くのは紛失のリスクがあるため、自宅の決まった場所に保管しておく方が安全だと考えたからそうしていた。
- これまで数年間客先常駐で仕事をしているが、緊急で社員証や入館カードが必要になったこと、困ったことは一度もなかった。
私の感想
理由をうまく言語化できないからといって、雑に押さえつけるのは良くない
まず、上司の「言われなくても~」や「常識で考えたら~」といった言い方が気になりました。
これは相手を納得させるための説明ではなく、相手を黙らせるためのただの押さえつけですよね。納得していない相手にこんなことを言っても反感を買うだけなので、これはイマイチだと思います(反感を買ったからこそ愚痴としてアウトプットされた)。
そもそも、言われなかったからそうなっているわけですし、彼我の"常識"に差異があったからそうなっているわけです。
「勤務中は社員証を携帯するよう社内規程で決まっているので従ってほしい」という説明ではダメだったのでしょうか。合理的な理由はもしかするとないかもしれませんし、既存の規程は古くなっていて最近の事情と合わなくなっているかもしれません。とはいえ、現時点では十分な根拠だと思います。
結果はともかく、自分なりに考えた姿勢は肯定したほうが良い
また、部下なりに紛失リスクを考慮した上で自宅に保管している、という事情を聞いたのであれば、上司は「紛失防止を考えてくれているのはとても良いことだ」と思考や姿勢そのものは肯定しても良いのではと思いました。
その上で、「とはいえ規則だから携帯しなければならない」「携帯する上でも紛失防止を考えてくれると嬉しい」のように説明すれば部下も納得感があり、前向きに考えられると思います。
これまで必要なかったからといって、これからも必要ないとは限らない
あと、妻の「これまで必要なかったのだから~」という言い分には私は反論があります。
これまで必要なかったからといって、これからも必要ないという保証はどこにもないからです。ましてやルーティンではない急な呼び出しなどの突発イベントというのは、滅多に起こらないかもしれませんが0%ではありません。業務内容や時期などの予測可能な要因だけでなく、災害など予測困難な要因も考えられます。事実、妻は社員証の交換という要因を予測できていません。
この点については上司の「緊急で必要になった時に困らないように携帯しておけ」という指示は、そりゃそうですよね、という感想です。
という反論を妻にしたら、そりゃそうか、となってました。
まとめ
相手に納得してもらえる話し方って難しいですよね。
余談
愚痴を聞いたときの最初の感想。
納得できない指示や命令について詳しい説明を求めたときに「言わなくても分かるでしょ」とか「社会人の常識だから」とかで答える上司はダメだと思っている。自分の言語化能力が低いだけなのに、部下が悪いみたいに転嫁して逃げるのって卑怯じゃないかなぁ。
— ushibutatory (@ushibutatory) 2018年3月15日