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【映画感想】『レオン』トニーがマチルダにした約束

先日、『レオン』を観ました。

その感想。特にラストシーン、トニーがマチルダにした約束について思ったこと。

1994年の映画にネタバレもないと思うけど、ネタバレを含みます。

トニーはマチルダに「全額ではなく毎月100ドルずつ渡す」と約束をした

あれは、『自分を大人だと思っている天涯孤独の少女』に2万ドル渡してサヨナラではなく、全額渡しても大丈夫だと思える年齢になるまで俺が後ろ盾になってやるという意思表示と解釈している。
(単純計算で16年ぐらいかかるが、さすがに16年(=マチルダ28歳)まで付き合うつもりはなく、成人する頃かそのあたりに残りをまとめて渡すつもりだと思う。)

レオンはトニーに「自分が死んだらマチルダに全額渡せ」と言っていたけど、あの状況に置かれた12歳の少女に2万ドル渡して、明るい未来が待っているとは思えない。そういった想像ができなかったのも、またレオンらしいが。

もちろん『その時』が来たとしてトニーがマチルダに馬鹿正直に残り全額を渡すとも思っていない。
きっと「必要経費はさっぴいておいた」「手間賃だ」とかなんとか言って、適当にくすねたりちょろまかしたりするだろう。トニーはそこまで善人でもない。

私は、トニーの「月1回受け取りに来い」という約束のしかたがとても粋だと思った。

振り込みとかじゃなくて、月1回顔を見せに来い、でも、ただそれだけ、というのが、完全な悪人でも完全な善人でもないトニーの仁義であり、トニーなりのレオンに対する筋の通し方(或いは贖罪)なのかな、と思う。